短剣論と「同盟の危機」【コラム】
在韓米軍のブランソン司令官が5月22日、「中国から東部海岸の外側を眺めると、韓国はアジアの中心に突き刺さった短剣(ダガー)のよう」だと述べたという話を聞き、自然に頭に浮かんだのは、明治時代の日本を代表する天才、井上毅(1843~1895)だった。井上は参事院議官を務めていた1882年9月17日に書いた『朝鮮政略』で、朝鮮半島を「日本の頭上に懸けた刃」だと表現した。近代日本人の安全保障思想に決定的な影響を及ぼすことになる「利益線」という概念を作り出した第3代・第9代内閣総理大臣の山県有朋(1838~1922)も同じく、1890年3月に出した『外交政略論』で、「朝鮮多事なるの時は即ち東洋に一大変動を生ずるの機なる」(朝鮮で多くの出来事が起こると、東洋一帯に大変動が生じるきっかけになる)という懸念を記した。