米中による重要鉱物の先取り競争、新たな「資源地政学」の幕開け
トランプ米大統領は昨年4月2日、世界を対象に高率の関税を課し、「今日は解放の日だ」と宣言した。その2日後、中国がこれに反発してレアアース(希土類)の輸出規制に乗り出したことで、米中間の緊張は急激に高まった。両国は報復関税の応酬で対立を深め、米国の対中関税率は一時145%、中国の対米関税率は125%まで急騰した。数週間が経つと、状況はトランプ大統領が予想しなかった方向へと進んだ。フォード自動車をはじめとする米国の主要企業が希土類の確保に支障を来し、減産に踏み切るなどサプライチェーンの混乱が現実のものとなるにつれ、大手企業の最高経営責任者たちからの圧力が続き、トランプ大統領はついに関税を大幅に引き下げざるを得なくなった。