「左派」はもはや「あなたが主張する権利」を守ってくれない【コラム】
(「ボルテールと啓蒙主義(上)」の続き)
「ボルテールと啓蒙主義(上)」で取り上げたように、「あなたが主張することには同意しないが、あなたが主張する権利が脅かされるのであれば、命をかけてともに戦う」という文言の主は、当初考えられていたのとは異なり、ボルテールではなかった。この文言は、後世の研究者が「ボルテールの精神」を描写しようとして考案したものだが、引用符を誤って付けてしまったため、ボルテールのものとして誤解されてしまった。しかし、発言者との結びつきは失われたとしても、文言の本質は変わっていない。「思想の自由を保障し、それを死守する以外に、愚かで不完全な人間を真理へと導く明かりはない」という知的な合意のうえで、上記の虚偽の語録と啓蒙主義者ボルテールは結びつく。この古典的な自由は、時と場所を選ばず常に論争を引き起こしてきたが、それは現在でも同じであり、偽りの格言が現在に至るまで生き残った秘訣もそこにある。